6270A 圧力コントローラ/校正器

校正の幅広いニーズに－ — 早く、正確に、確実に

6270A は、微差圧～20MPa の幅広い圧力レンジにおいてほとんどの圧力計や圧力センサーの要求に応えることができます。3 段階の精度クラス (全域で0.02 % FS、50% ～ 100 %の範囲で読み値の 0.01 %、または 30 % ～ 100 % の範囲で 読み値の0.01 %) を選択できるため、必要な校正機能と予算に合わせて最適なシステムを構築できます。

モジュラー設計により、6270Aは1台の筐体にレンジや精度クラスが異なる複数の圧力測定モジュールを搭載することができます。必要に応じて最高精度の測定モジュールを購入することも、あるいはより経済的な標準精度のモジュールを日常の校正業務に使用することもできます。

6270A の精度仕様は、測定の不確かさの詳細を記述したテクニカルノートによって詳しくご覧いただくことができます。フルークの他のすべての計測器と同様、これらの仕様は堅実で明確な信頼性の高いものです。

先進のテクノロジーとパフォーマンス

3段階の精度を提供する3つの圧力測定モジュールファミリーによって、精度や価格要求に合わせたシステムを構築して頂くことができます。

レンジアビリティが広く、幅広い校正業務に適しています。

標準の圧力制御モジュールは幅広い圧力レンジに対応できます。フレキシブルレンジコントロールモジュールは、さらに幅広い圧力レンジに対応する必要がある場合でも利用可能です。

6270A はパルス変調圧力制御方式を採用しており、広いレンジアビリティ (機器が高い精度で測定できる最小値と最大値の比) を実現しています。広いレンジアビリティーにより、幅広い校正要求に対応することができます。

オペレーターと計器を保護する安全機能

それぞれの圧力測定モジュールと圧力制御モジュールは、メイン・シャーシと同様に、偶発的な過負荷から計器やオペレータを保護するための圧力安全弁を備えています。6270A は、SEP (Sound Engineering Practices) を使用するように設計されています。内部の安全弁、ユーザー設定可能な圧力上限値設定機能、非常停止 (ABORT) ボタンなど、安全性を最優先した設計を行っています。

圧力校正器の汚染保護

作業環境に水、油、ガスなどの汚染物質 を含むデバイスがある場合は、それらの汚染物質がシステム内に浸入することで汚染される危険性があります。汚染は、校正器のバルブの詰まりや部品の摩耗、圧力維持等の不具合の原因となります。圧力センサーが汚染されると、校正器の動作に悪影響を与え、正しい測定ができなくなります。もし、汚染を考慮する必要がある場合は、校正器のバルブを清浄な状態に保ち、汚染物質が付着しないようにするために、6270A 用の汚染防止システム (CPS) オプションをご準備下さい

多様なフレキシビリティーを提供するモジュラーコンフィグレーション

1台の6270Aには、ご要望に最適な組合せを得るため、最大5つの圧力測定モジュールを搭載することができます。ご希望の校正作業に最適な圧力レンジと要求仕様の組合せをお選びください。現在の校正内容に必要な圧力レンジのモジュールのみをまずご購入ください。校正内容や範囲が拡張又は変更された場合はには、いつでもモジュールを増設、変更することができます。

モジュールは素早く簡単に脱着できます。それぞれのモジュールを独自設計のガイドレールにスライドさせ、適切な位置で生じるクリック音がきこえるまでノブを締めるだけです。クリック音は、モジュールが安全に適切な位置にあることを知らせます。ノブにある独自の締めすぎ防止機能が過大トルクによる締めすぎを防止します。作業者は締め過ぎや緩みを心配する必要はありません。

モジュールはシャーシの前面から脱着します。6270A がラックマウントに設置されていたとしても、圧力測定モジュールと圧力制御モジュールのどちらも、シャーシ前面から簡単に脱着できます。

各々のモジュールでは、最大作動圧の 3 倍の圧力でリーク試験された強化フェイスシール・デザインを採用しています。脱着を繰り返しても、圧力測定及び制御能力に影響を及ぼすようなシステム内のリークを心配する必要はありません。

重錘形圧力天びんの圧力制御ユニットとして

6270A は、それ自身でも柔軟な圧力校正器／コントローラですが、自動式の重錘形圧力天びんの圧力コントローラにも適しています。6270A をFluke Calibrationの重錘形圧力天びん PG7601 または PG7202 共に使用することで、ピストン位置の自動調整を行うことができます。さらに、PG7000-AMH自動マスハンドラーをPG7000ピストンゲージに取り付けることで、全自動重錘形圧力天びんを構築することができます。

工場内でも簡単にメンテナンスが可能

6270A はメンテナンスが簡単にできるように設計されており、ランニングコストを大幅に抑えることに成功しました。バルブや構成部品の交換方法について詳細な手順を記載したサービス・校正マニュアルを発行しております。一連のオンボード・スクリーン・キャプチャは、トラブルシューティングの手引きとして活用して頂くことができます。

圧力制御モジュールと圧力測定モジュールが分かれているため、すばやく簡単に修理が行えます。それぞれのモジュールを引き出して交換するだけで、自動調整も必要ありません。新しいモジュールをインストールするか、場合によっては、供給圧力を変更することで簡単に圧力レンジを変更することができます。弊社の認定サービスセンターまで返送していただく必要はありません。

圧力センサーモジュールは、筐体内装着された状態でも、外部でも、オプションのPMMキャリブレーションキットを使用して校正することができます。一度校正されれば、どの 6270A のシャーシにインストールしても測定の不確かさに影響なく使用可能です。モジュールは簡単に移動や交換が可能で、特殊な工具は不要です。

システム内のすべての構成部品は、フロント・パネルから後部の圧力コネクターに至るまで、簡単にモジュール交換できるように設計されています。

メイン CPU などの内部部品についても簡単に交換できます。6270 の背面にある圧力マニホールドは酸化皮膜アルミ製で、通常の使用には十分耐えられる強度を備えています。ただし、ネジ山が傷付いたり、金属製のコネクタが滑るような場合、シャーシを開けなくても簡単にマニフォルドブロックを取り外すことができます。作業としてはブロックを押さえているネジを外し、引き出すだけです。ブロックには何も付属部品がないため、交換は単純で安価です。

取り外し可能な背面マニホールドにより、6270A はラックマウント・システムからも簡単に取り外すことができます。テスト・ポートと供給ポートを大気開放し、シャーシ後部からマニホールド接続を外すだけです。テストポートとサプライポートを大気開放し、筐体背面のマニホールドに配管を繫げたままの状態でまた、マニホールドは一方法にしか脱着できませんので、どの圧力ラインがサプライポート用でどれがテストポート用であるか心配する必要はありません。NPT、BSP (JIS-G)、7/16-20 の 3 種類のマニホールドをラインナップ。さまざまな地域の規格に対応できます。メイン・マニホールド上のアイソレーション・バルブは、6270A のシャーシ最上部から簡単に取り外すことができます。

校正品質の一貫性と作業効率の向上のためのCOMPASS® ソフトウェアによる自動化

Fluke Calibrationの“COMPASS for Pressure”は圧力校正用に特化して設計されたソフトウェアです。このソフトウェアにより6270Aを自動制御することができ、1台又は複数台の被校正機器（DUT） に対して完璧な圧力校正手順を実行できます。COMPASS ソフトウェアは、オンラインで自動化されたシステムありがちな不明な要因を取り除くことができます。

また、6270Aはにはお客様独自のソフトウェアや多のデータ収集システムと連携して使用できるよう、フルリモートインターフェースを備えています。インタフェースの詳細については、6270A ユーザー・マニュアルを参照してください。

万全のサポート体制

フルークキャリブレーションによる修理・校正サービスは、お客様のニーズに適正価格で素早くお答えすることに全力を尽くしており、同時に卓越した品質を維持することがFluke Calibrationのトレードマークです。当社の圧力標準室は、ISO Guide 17025 に準拠した認定校正標準室です。お客様が所有されているハードウェアを最高の使用状態に維持できるように、世界中に校正・修理センター、認定サービスプロバイダを整備しております。

オーナーシップコストのケアプラン

圧力校正器のダウンタイムの削減やオーナーシップコストのコントロールに役立つ豊富なケアプランをご用意しています。フルークキャリブレーションでは年に一度の6270A標準校正又はISO 認定校正（工場内ターンアラウンド6日保証）¹および無料の修理（工場内ターンアラウンド10日保証）を特長とした 1 年、3 年、5 年に及ぶプライオリティ・ゴールド・ケアプランを用意しております。

実践的かつ豊富なトレーニング・オプション

フルークキャリブレーションでは、圧力校正及び気体流量校正に関する様々なトレーニングコースを米国アリゾナ州フェニックスの施設で開催しております。また、日本国内のお客様には認定サービスプロバイダである（株）大手技研において圧力校正トレーニングセミナーを提供しています。さらに、圧力校正について多種多様なテーマの Web セミナーを、無償で定期的に開催しています。.お手持ちの圧力コントローラを適正に維持するためにサービスやメンテナンストレーニングが必要な場合には、いつでも当社または認定サービスプロバイダにご相談ください。

1. 大切な情報が見やすく、編集しやすい大型のメインディスプレイ
2. 数値を素早く入力できるシンプルな計算機スタイルのハードウェア・キーボード
3. アナログ・ダイヤル・ゲージ等の校正時の圧力の微調整に便利なジョグ・ホイール
4. 圧力の安定性や進行状況が簡単に確認できるリアルタイム・グラフ
5. 4 回までのボタン操作で全ての機能にアクセスが可能な、読みやすく直観的なメニューで構成された 10 か国語に対応したタッチスクリーンディスプレイ
6. 非常事にすばやいベント操作を可能にするフロント・パネルの非常停止 (ABORT) ボタン

7. スイッチ・テスト端子 ― 圧力スイッチの状態を読み取る機能を内蔵しており、圧力スイッチのクローズドループ試験が可能
8. システム・モード端子では、複数の 8270A および 8370A を 接続して一括制御することにより、最高度のレンジアビリティを提供
9. 完全に自動化されたカスタム・システムの構築やオプションの CPS (汚染防止システム) などのアクセサリの操作を可能にする外付けバルブドライバー端子
10. USB 接続
11. イーサネット
12. GPIB
13. RS-232
14. 簡単に交換できるマニホールドブロック上に配置された圧力接続ポート。コネクタは NPT、BSP、7/16-20 SAE に対応しており、地域の規格に合わせて選択が可能
15. 6270Aを 標準の 19 型ラックに取付け可能にするオプションのラックマウント・キット

16. 圧力の安定性や進行状況が簡単に確認できるリアルタイム・グラフ
17. システムの完全性を検証できる内部リーク試験機能
18. ユーザによる表示言語選択