AC/DCトランスファー標準器 792A

• 高確度、高速、優れた操作性
• 完全にトレーサブルな性能
• 22mV ～ 1000V の 9 レンジ（外付けのレンジ抵抗を併用）
• 過負荷条件に近づくと、視覚・聴覚によるアラームで警告
• 入力コネクターは背面パネルに配置
• フル･スケールで 2V の出力により、高分解能デジタル･マルチメーターの利用が可能となり、トランスファー測定の簡素化が実現
• 外付け電源方式のため、ベンチでの作業が容易。さらに校正時のトランスファー・ユニットの移送が簡単

高確度、高速、優れた操作性

792A の心臓部であるフルーク特許のソリッド・ステート熱 RMS センサーは、1979 年以来様々な Fluke Calibration 製品で実績のあるものです。従来の熱電対出力が ７～10 mV であるのに対し、このセンサーの出力電圧は 2 V です。これによって、792A は優れた信号対雑音特性、および入力電圧に対し 10 ppm の最小反転誤差を実現しました。さらに 2 V 出力によって、トランスファーの際ヌル･メーターに替えてデジタル電圧計が使用でき、高分解能の測定が可能となりました。測定が容易になったばかりでなく確度も高くなります。その上 RMS センサーは小型なため熱容量が極めて小さく、792A は 30 秒ほどの短時間で安定し、11℃ ～ 35℃ の広い温度範囲で使用できます。RMS センサーは堅牢で信頼できるように設計されています。品質と一貫性を維持するため、フルークのマイクロエレクトロニクス部門で各工程が厳しい基準のもとに組み立てられています。

完全にトレーサブルな性能

各792Aは、NISTトレーサブルな校正成績書付きでフルークから出荷されます。成績書には測定されたAC/DC差の補正係数表が含まれています。

792A のような高確度製品のトレーサビリティ要求に対応するため、フルーク・キャリブレーションは国家標準の値を 792A の生産環境に移行する独自のシステムを開発しました。このシステムは、732A 直流電圧標準器を 100 分の数 ppm に維持するよう開発された、実証済みの技術に基づくもので、実質的に同等の性能を有する 792A を連続して相互比較したデータを統計処理して、トランスファー時の不確かさを最小限に抑えます。このトランスファーによる不確かさを国家標準機関から直接値付けしてもらえば、さらに高いパフォーマンスを得ることができます。

フルーク・キャリブレーションでは定期校正および証明書の発行を行っています。再校正時にも初回校正時と同じ校正プロシージャーを実行し、測定された AD/DC 差異の補正係数および不確かさの表が発行されます。