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オシロスコープの水平精度の校正方法
X 軸は、もっぱらタイムベースの伝達手段として使用されます。多くの場合、複数の垂直チャネルばかりでなく、メインと遅延の 2 つのタイムベースがあります。DSO では、これらタイムベースは 2 つの独立したサンプリングレートで実現されていることも、1 つながら長い取得ストア上の位置決めされた"ズーム"ウィンドウを使って実現されていることもあります。
水平偏向の精度
一般にアナログオシロスコープでの水平偏向の精度の判定では、最初にディスプレイのジオメトリを設定する必要があります。通常、この設定は初期のジオメトリセットアップで行います。
この設定を終えると、次の調整またはチェックを行うことができます。
- X 軸の帯域幅
- 水平タイミング
- タイムベースの遅延精度
- 時間の倍率
- 遅延時間ジッタ
- トリガ機能
- X-Y のフェーズ関係
X 軸の帯域幅
アナログオシロスコープの場合、水平増幅器の帯域幅は垂直チャネルのチェック同様、調整の正弦波を使用してチェックしますが、タイムベースはオフです。X 入力として基準周波数(通常 50 kHz)のサイナソイダル波を供給する場合は、ここではまず、横方向のトレースの表示長を測定します。
その後、周波数は同じ振幅で水平増幅器の指定 3 dB ポイントに変化させ、表示されるトレース長を再び測定します。観察された 3 dB ポイントのトレース長が基準周波数の長さの 70 % 以上である場合、帯域幅は適切です。
一般に DSO では、垂直チャネル増幅器が水平増幅器として使用されるため、垂直偏向帯域幅を測定した場合、水平偏向帯域幅を測定する必要はありません。
水平タイミング精度
テストのセットアップ
このテストでは、チェックするスイープ速度 (または時間/div) にタイムベースを切り替え、タイミングマーカージェネレータからの出力を必要な垂直チャネル経由で入力します。オシロスコープ校正器では、これらは矩形波であり、特定の周波数で正弦波に変化します。
タイミングの校正精度
大半のアナログオシロスコープおよび多くの DSO の校正には、25 ppm のタイミング精度で十分ですが、一部の高性能 DSO では、0.3 ppm 以上のタイミング精度が必要になります。
矩形波を使用する理由
過去は、タイミングマーカーは "くし形" 波形で、差別化された一方向の一連のエッジと抑制されたリターンエッジとで構成されていました。このことが、DSO では サンプリングを原因とする難しさを生みます。サンプルの間にくし形のピークが来て、振幅が変わり、正確なエッジ位置の判定が難しくなることがあります。矩形波や正弦波でタイミングマーカーを使用すると、この 1 ドットジッタを原因とする不正確さが大幅に減らすことができます。
測定
マーカのタイミングは、水平タイミングが適切な場合に 1 分割あたり 1 サイクルとなるように設定されています。
観察では、マーカージェネレータの偏差コントロールは、画面上、対応する垂直目盛り線でマーカーが整列するように調整されており、適用した偏差を記録します。適用する偏差が、オシロスコープのタイミング仕様を超えてはいけません。
校正に関してオシロスコープの製造元が指定したすべてのスイープおよびタイムベース時間/div 設定で操作を繰り返します。
タイムベースの遅延精度
本テストでは、遅延タイムベースはメインタイムベースを機能強化したもので、単独表示できるように切り替えられるものとします。どのようなオシロスコープでも、リトリガーモードはオフにします。
タイミングマーカジェネレータからの出力は、必要な垂直チャネルを使って入力し、1 分割当たり 1 サイクルを表示するようにオシロスコープを調整します。オシロスコープのモードスイッチは、図に示すように、メインタイムベースの、選択したマーカーエッジ上の遅延部分を強調する設定になっています (このためには、オシロスコープの遅延コントロールを調整が必要になることがあります)。
- オシロスコープの遅延モードスイッチは、遅延スイープのみを表示するように設定し、遅延コントロールを調整して、タイムマーカーエッジが選択した垂直データム線、すなわち中央目盛り線に揃うようにします。オシロスコープの遅延設定を書き留めます。
- オシロスコープのモードスイッチは、メインタイムベースの、選択されたマーカーエッジ上の遅延部分が強調されるように設定します
- オシロスコープの遅延モードスイッチを、遅延スイープのみを表示するように再設定し、遅延コントロールを調整して、タイムマーカーエッジが選択した垂直データム線に揃うようにします。再びオシロスコープの遅延設定を書き留めます。
最後に、オシロスコープの遅延の 2 通りの設定を比較します。両者の差が、選択した 2 つのマーカー間の時間と同じであり、オシロスコープの仕様の範囲内であることを確認します。
水平の x10 の精度
タイミングマーカジェネレータからの出力は、必要な垂直チャネルを使って入力し、1 分割当たり 10 サイクルを表示するようにオシロスコープを切り替えます。タイミングマーカージェネレータの周波数/周期は、1 分割あたり正確に 10サイクルになるように調整します。
誤差はトレースの右側で最大 (トリガ発生後の最長時間) になる可能性が高いため、オシロスコープの水平位置コントロールは、"A" の位置のマーカーエッジが画面中央にくるように調整します。
- X10 スイープを表示するようにオシロスコープを設定し、マーカーエッジ "A" が正確に中央目盛り線に揃うように水平位置コントロールを調整します。
- マーカージェネレータの周波数/周期偏差コントロールを調整して、マーカーのエッジが目盛り線に正確に揃うようにします。
- マーカジェネレータの周波数/周期偏差設定を書き留めます。この設定は、オシロスコープの仕様の範囲内である必要があります。
同様にして、DSO の場合は使用可能なズームまたは X 倍率の範囲を、メーカーの指示に従って校正します。
遅延時間ジッタ
多くの場合、オシロスコープの遅延ジッタは 20,000:1 台の時間倍率で測定します。このことは、遅延タイムベースがメインタイムベースよりも 20,000 倍高速に動作する必要があることを意味します (メインタイムベースが 20 ms/div で動作する場合、遅延タイムベースは 1μs/div で動作する必要があります)。
本テストでは、メインタイムベースの強化版を中央目盛り線のエッジに合わせます (メインタイムベースと遅延タイムベースの速度に差があることにより、メインタイムベースの非常に小さな部分が強化され、調整が難しい場合があります)。
タイミングマーカジェネレータからの 20 ms 周期の出力を必要な垂直チャネルを入力し、1 分割あたり 1 サイクル (20 ms/div)を表示するようにオシロスコープを調整します。
遅延タイムベースは 1 μs/div で動作するように設定し、オシロスコープのモードスイッチは、オシロスコープの遅延時間コントロールを使用し、示されているようにメインタイムベースの中央マーカーエッジ上の遅延部分が強調されるように設定します。
オシロスコープの遅延モードスイッチは、遅延スイープのみを表示するように設定し、遅延コントールを調整して、タイムマーカーエッジが、中央の目盛り線などの選択した垂直データム線に揃うようにします。
横軸に沿って測定する波形の表示部分の縦方向のエッジ(ジッタが表示される)の幅は、オシロスコープの仕様のジッタ範囲を超えてはいけません (例えば仕様が 20,000:1 の場合、幅に対するオシロスコープの寄与は 1 分割未満である必要があります)。
校正の続き
オシロスコープ校正プロセスの次のステップは、次の記事で説明しています。
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